ハイブリッドワークライフのロール・モデルは経営者、フリーランス、クリエイターのような人たちです。こうした人たちの多くは、仕事とライフスタイルが一致している場合が多いのです。つまり、「仕事に一生懸命に取り組むこと=人生」であるため、寸暇を惜しんで努力している人も珍しくはありません。
ところが、こうした働き方を一般企業で行う場合、たちまち「ブラック企業」のレッテルが張られてしまいます。働いている人たちの多くも、「仕事とプライベートは別」と考えています。ですから、「できるだけ働く時間は少なくして、プライベートを充実させたい」と考えるのです。これが、ワークライフバランスのコンセプトの前提になっています。健康経営、働き方改革の施策の多くはこうした前提に立っています。
”ブラック企業”問題は重要なコンプライアンス問題です。企業はしっかり対応しなければなりません。しかし、働く人にも主体性が必要です。なぜなら、終身雇用が崩れつつあるという現実があるからです。
現代のように変化の激しい時代にあって、学校を卒業して就職した会社が40年、50年も存続している可能性がドンドン少なくなってきています。また、会社として存続していても、全く違った業態になったしまうことも珍しくはありません。
ゆったりと働いて、オフはしっかりと楽しめる生活を半世紀にわたって保証してくれる組織は多くはありません。数十年単位で見ると、どれほど大組織であっても破綻する可能性があるのです。その時に、他の組織でも求められる成果能力がなければ、ワークライフは一転して厳しいものになるのです。今の生活に満ち足りている人ほど、将来に備える必要があるのです。
ハイブリッドワークライフは仕事とプライベートを一体化して捉える考え方ですが、滅私奉公的な考え方とは違います。自分のために主体的に働き、学ぶ必要があるという考え方です。