ハイブリッドワークライフは仕事とプライベートの境界線を厳密にひかず、一体として捉えようとするコンセプトです。
従来のワークライフバランスの考え方の根底には仕事をする時間を「オン」、プライベートを「オフ」と見る発想があります。しかし、知識労働が重要性を増した世界ではこの二区分は、あまり意味を持たなくなります。
例えば、睡眠を1日6.5時間、仕事を8時間×5日、食事・入浴等1日2時間とします。おそらくこれ以上削りようがないほどシンプルな設定です。すると、睡眠45.5時間、仕事40時間、食事等14時間、で合計99.5時間です。
1週間で見ると、その他が68.5時間になります。その他には、残業時間、通勤時間、家事等も含まれます。仮に、それらを18.5時間(相当少なく見積もっています)とすると、残りは50時間です。
この最大50時間を使って娯楽のみならず、将来に向けた投資(スキル習得・人脈拡大等)、スポーツなどのコンディショニングを行わなければなりません。定時で見ると仕事は40時間しかなく、オフの過ごし方で未来が大きく左右されるのです。
現代では組織の存続の不確実性が増しています。大企業にいるからといって一生安泰というわけにはいかなくなりました。それだからこし、社会を生き抜く力を常に磨き続けなければなりません。
こうしてみると、オンとオフで明確な線引きを引く発想は現代のビジネス環境にはそぐわないのです。フリーランスの人であれば、常に能力を高め続けなければ、仕事のオファーが突然無くなるのが当然と理解しています。しかし、大組織に属していると、表面上はそうしたリスクがないように見えてしまいます。これが大きな落とし穴です。
主体的に生きるとは、常に能力を強化し、自由な選択の余地を広げていくことです。選択肢を広くするためには仕事の時間と同様にプライベートな時間を何に使うかが重要になるのです。
これからは組織の属していたとしても、時価評価、すなわち今現在どのような成果をあげることができるかで評価されるようになっていくでしょう。