浅沼宏和ブログ

2021.02.25更新

ハイブリッドワークライフのコンセプトは最終的に自己目標管理と結びつきます。知識労働では各人の主体性が求められます。各人が適切に目標を設定し、それに基づいて実際に行動し、成果をあげることが重要だからです。

 しかし、こうした主体的な行動をとれるビジネスパーソンは必ずしも多くありません。つまり、ハイブリッドワークライフとは自己目標管理がしっかりとできるビジネスパーソンを増やしていこうという発想なのです。

 ドラッカーは21世紀のマネジメントの最大の課題が知識労働の生産性にあると考えていました。自ら目標を設定し行動する習慣を持ち、継続的に成果をあげ続ける人材が増えなければ社会が存続できないからです。組織は、こうした主体的人材に貢献すべき大きな目標を示す存在なのです。組織は主体的に成果を生み出す人材にとって魅力的な存在でなければなりません。

 SDGsの8番目の目標として、「働きがいも経済成長も」があげられています。ハイブリッドワークは主体的な行動力にあふれ、仕事もプライベートも充実させる人を増やすことを目指しています。それは個人の幸せを追求する一方、その各人の貢献を社会に対する価値提供へと変換する有益な組織を増やす視点でもあります。

 ハイブリッドワークライフは個人のための視点ではありますが、それを支援する組織にとっては主体的な人々の努力を社会的な価値提供に結びつけることで組織としての成果をあげるという考え方も含んでいるのです。そして、それはミッション・ビジョン・バリューを明確化し、実際の組織行動に落とし込むという経営戦略の考え方そのものでもあるのです。 つまり、ハイブリッドワークライフはSDGsとも組織目的の実現とも密接に関係しているのです。 

 当社はISOのコンサルティングを通じて目標設定能力に関するノウハウを蓄積してきました。また、ドラッカーのマネジメント論の著作・通信講座作成・セミナーなどを通じてドラッカーのマネジメント論を整理してきました。こうした経験から大手企業で導入されている目標管理制度の多くが間違ったドラッカー理解であることが明らかになりました。ハイブリッドワークライフでは正しい自己目標管理が重要な柱となります。その中身について、今後、段階的に発表してまいりたいと思います。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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