浅沼宏和ブログ

2021.01.13更新

新型コロナの爆発的広がりの中でテレワークの導入が一気に進みました。しかし、多くの企業から聞かれるのは「テレワークによって生産性が低下した」という感想です。

これは、学生時代の勉強を考えてみるとよくわかります。自宅で一人で勉強するとはかどらないため図書館や自習室に通う人が多いのです。学生時代の勉強と在宅ワークは似ている点が多いのです。したがってハイブリッドワークライフのカギを握るのは在宅ワークにおける生産性向上になります。

受験生のモチベーションは、その受験勉強の先にあるもの、つまり志望校への合格、ひいては自分の将来についてのビジョンと密接に関係しています。単に静かな場所に移動すれば勉強に対するやる気が出るというわけではありません。本質的には、その勉強が何につながるのかが問題になるわけです。

受験の場合、入試合格という長期目標に対して今日の過ごし方の目標設定を行うことになります。「今日、図書館で数学のテキストを10ページ、英文解釈の問題を3問解こう」というプログラムは、明日の勉強、今週の勉強、今月の勉強、そして最終的な目標である受験から割り出し、実行しようとするものです。

ところが、実際に勉強し始めると集中できず、「今日はやる気が出ないな。数学は3ページぐらいでいいや」という感じになったりします。つまり、生産性が低下したのです。この繰り返しによって第一志望に合格する実力が身につかず、志望校のランクを下げざるを得なくなったりするのです。

ビジネスパーソンのテレワークにも同じ問題が付きまとっています。やるべき仕事に向かうように督促される環境において、いかにして意欲を持ち、実際の行動につなげられるかが問われるわけです。

テレワークには学生時代の受験勉強と同様の主体性が問われるのです。仕事に対する主体性はハイブリッドワークの重要な論点なのです。

次回は、この問題についてのアプローチを考えてみたいと思います。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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