2024.07.18更新

  今月はドラッカーの名言から、変革に関するものをご紹介します。

1. 未来を語る前に、今の現実を知らなければならない。現実からしかスタートできないからである。

2. 未来に何かを起こすには勇気を必要とする。その場しのぎの仕事に身を任せていたのでは、未来は作れない。未来についてのビジョンで必ず失敗するものは、確実なものリスクのないもの失敗しようもないものである。

3. 明日は必ず来る。そして、明日は今日とは違う。今日の最強企業といえども、未来に対する働きかけを行っていなければ苦境に陥る。

4. イノベーションに成功する者は保守的である。保守的たらざるをえない。
彼らはリスク志向ではない。機会思考である。

5. 事業においてリスクは最小化しなければならない。だが、リスクを避けることに囚われると、最大にして最も不合理なリスク、すなわち、無為のリスクを負うことになる。

6. 事業活動とは変化を起こそうとする経済活動である。それは、今、座っているイスの足をノコギリで引くことに似ている。現在のリスクをさらに危険なものにし、あるいはまったく新しいリスクを生み出そうとする。

7. リスクを行動の基盤にしてはならない。リスクは行動に対する制約にすぎない。

8. 変化への抵抗の裏にあるものは無知である。未知への不安である。しかし、変化は機会とみなすべきものである。
変化を機会としてとらえたとき、はじめて不安は消える。

9. イノベーションとは、既存の知識・製品・顧客ニーズ・市場など、すでに存在するものを、はるかに生産的な一つの全体に発展させるため、小さな欠落を発見し、その提供に成功することである。

10. 成功した起業家に共通するのは性格ではない。体系的にイノベーションを行っていることである。
イノベーションは起業家に特有の機能である。それは既存企業、社会的機関、小さなベンチャーであっても変わらない。

11. すでに起きた未来は組織の外にある。それは、社会・知識・文化・産業・経済構造における変化である。一つの傾向の変化ではなく変化そのものである。
パターンの内部における変化ではなく、パターンそのものの断絶である。

12. 人口変化こそ、市場・社会的圧力・経済的機会にとって基本となる動きである。


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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.06.13更新

 今月はドラッカーの名言から、経営に関するものをご紹介します。

1. まず、経営者が行うべきことは、自らの組織があげるべき成果を明確にすることである。
これは‥‥最も難しく、最も重要な仕事である。

2. あらゆる組織が自らについての定義をもたなければならない。
明快で一貫性があり、焦点の定まった定義が組織にとって強力なよりどころとなる。

3. 明日の組織のモデルはオーケストラである。楽団員のすべてが専門家である。
オーケストラはすべての楽団員が同じ楽譜を持って演奏をする。

4. 事業の定義は組織が目標を達成した時に陳腐化する。
目標を達成した時はお祝いをするべき時ではなく、事業の定義を見直すべき時である。

5. 重要なことは明日何をするかではない。不確実な明日のために、今日何をするかである。

6. 企業の目的は企業の外にある。企業は社会の機関であり、目的は社会にある。
したがって、事業の目的として有効な定義は一つしかない。“顧客の創造”である。

7. 顧客は自らが求めるもの、必要とするもの、期待するものにしか関心を寄せない。
顧客の関心は常に「この製品、この会社は自分に何をしてくれるか?」である。

8. 最も重要な情報は顧客ではなく、非顧客(今、顧客ではない者)についてのものである。
変化が起きるのは常に非顧客の世界においてである。

9. 市場において目指すべき地位は“最大”ではなく、“最適”である。

10. 戦略計画とは何か。 それはリスクを伴う企業家的な意思決定を行い、その実行に必要な活動を体系的に組織し、それらの活動の成果を期待したものと比較測定するという連続したプロセスである。

11. あらゆる企業が自らの強みを知り、そのうえで戦略を立てる必要がある。
‥‥強みは常に具体的であって特殊である。

12. 他社はうまくできなかったが、わが社はさしたる苦労なしにできたものは何かを問わねばならない。同時に、他社は苦労なくできたが、わが社はうまくできなかったことを問わねばならない。

13. マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品・サービスを顧客に合わせ、おのずと売れるようにすることである。


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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.06.13更新

 今月はドラッカーの名言から、仕事に関するものをご紹介します。

1. 成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と基礎的な方法を身に着けているかどうかの問題である。

2. 問題の解決によって得られるものは、通常の状態に戻すことだけである。成果そのものは機会の開拓によってのみ得ることができる。

3. 成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならない。手元の仕事から顔をあげて、目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。そして、責任を中心に据える。

4. 日常化した毎日が心地よくなった時こそ、違ったことを行うように自らを駆り立てる必要がある。

5. だれもが自分の強みをよくわかっていると考えている。しかし、たいていは間違っている。わかっているのはせいぜい弱みである。

6. 目標は難しいものにしなければならない。背伸びをさせるものでなければならない。だが、可能でなければならない。
不可能なことを目指したり、不可能なことを前提とすることは野心的と呼ぶに値しない。単なる無謀である。

7. 外の世界に目を向けることで、自らの専門分野だけではなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。
成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。

8. 成長に最大の責任を持つ者は本人であって組織ではない。自らと組織を成長させるためには、何に集中すべきかを自ら問わねばならない。

9. 昔、ギリシアの彫刻家・フェイディアスはアテネのパンテオン神殿の屋根の彫刻を完成させた。だが、彼の請求書に対してアテネの会計官は支払いを拒み、「彫刻の背中は下から見えない。見えない部分まで彫って請求するとは何事か。」といった。
それに対しフェイディアスは答えた。「そんなことはない。神々が見ている。」

10. われわれは気質と個性を軽んじがちである。だが、それらのものは訓練によって容易に変えられるものではないだけに、重視し明確に理解することが必要だ。

11. 貢献に焦点を合わせることで、コミュニケーション、チームワーク、自己啓発、人材育成という、成果を上げるうえで必要な基本的能力を身につけることができる。


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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.04.15更新

 1. 交渉‥相互に譲歩してよりよい合意を目指すこと *説得‥理由を納得させること

 2. 交渉とは問題解決プロセスである *よい交渉者はよい問題解決者

 3. 最初に“ふっかける”必要がある →こちらが譲歩する余地を残すのが重要

 4. 交渉は双方の第一案の中間で合意されやすい *最初の提案が目安になるので重要

 5. 相手の最初の提案にイエスというのは不利 *相手には譲歩の余地があることが多い

 6. 手持ちの情報が少なければ最初は相手に提案させるほうがよい

 7. 譲歩するときは必ず見返り(対価)を得るようにする

 8. 質問は交渉を動かすコミュニケーション *相手は自分の発言(答え)に説得される

 9. 交渉決裂の際の最善策(BATNA)を決めておく
  *BATNA=Best Alternative to a Negotiated Agreement

 10. BATNA は交渉の外にある選択肢⇔ボトムラインは交渉の中での受け入れ可能な最低条件

 11. 強い BATNA があれば交渉は有利に運べる

 12. 優れたストーリーを提示できれば交渉は有利に運べる

 13. 自分側の条件、相手側の条件を整理する *情報量が多いほど交渉は有利

 14. 交渉では相手のメンツをつぶさないことが大事 →最後の最後で悩む相手のために小さな譲歩を用意するのは有効

 15. 双方の成果がより大きくなるのが良い交渉

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.04.15更新

 税務では、金銭以外のモノや権利などを享受した場合、「経済的利益」とみなすことが多いです。例えば、物品を贈られたり低額で譲られた場合、モノやサービスを無償や低額で貸与された場合、債務の免除や借金の肩代わりをしてもらった場合などは経済的利益を受けたものとみなされます。従業員のためを思って使った費用が経済的利益をみなされると従業員に給与を支給したのと同じことになってしまうのです。経済的利益を受けた従業員はその金額に対応する所得税が課されるのです。

 しかし、次のような費用については一定の基準を満たすと非課税の経済的利益として扱われ、所得税がかかりません。非課税の経済的利益とみなされるためには役員など一部の社員だけが享受するようなものであってはいけません。すべての社員に公平に与えられるものであることが必要です。一部の役員だけが旅行に出かけたり、スポーツジムに通うなどすると非課税の要件を満たさないことになります。

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 ある企業から「年末に従業員全員に商品券を配りたい」という相談を受けたことがあります。「構いませんが、その商品券の金額を年末のお給料に加算して所得税を徴収してください」と申し上げたところ、「なぜだ。おかしいではないか。これは給料ではなく“お疲れ様でした”という感謝の気持ちなのだ」と言われました。

 そうした「感謝」をしていけないわけではありません。その感謝には「経済的利益」が伴いますから、その金額分はお給料とみなすというルールになっているだけなのです。税務では「商品券を配る」ことと「特別手当を支払う」ことは所得が増えるという点で同じ意味のものとされています。

 

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.04.15更新

 トヨタ生産方式を一言でまとめると「ムリ・ムラ・ムダ」の排除です。そして、最も基本となるのがムダをなくすことです。前回は7つのムダ(加工・在庫・作りすぎ・手待ち・動作・運搬・不良;“飾って豆腐”)について説明しました。そして、作りすぎが最も問題であることを見てきました。今回は、「ムラ」について説明したいと思います。

 仕事には忙しい日があったり、比較的暇な日があったりするものです。忙しい日に合わせて人員・設備の体制を整えると暇な日には稼働率が低くなってしまいます。逆に、少ない人員・設備の体制でスト忙しい日には仕事が回らなくなってしまいます。ムラとは目的に対して手段が大きすぎたり、小さすぎたりする状態といえます。いろいろなものがバラついている状況がムラになります。

 たとえば、ムラを四つの視点から考えることもできます。

 Man : 技能のバラつき

 Machine : 設備の性能のバラつき・ボトルネック

 Material : 材料・部品のバラつき

 Method : 方法のバラつき

 特に仕事量のバラつきをなくすことを「平準化」といいます。特定の人、設備、時期に作業が集中してしまう状況は不効率や不具合などさまざまな問題のタネになります。そして平準化においてポイントとなるのが「多能工化」です。カンタンに言うといろいろな仕事ができる人を増やすということです。仕事はできる人に集中しがちです。すると特定の人はとても忙しいのにその他の人は手が空いているといった状況が生まれます。これでは全体の成果は大きくなりません。

 トヨタ生産方式では多能工化が重視されています。一人が一つの業務しかこなせないようですとムラが生じます。しかし、一人が複数の仕事をこなせる能力があれば人の配置を柔軟に行えます。忙しいエリアに多くの人員を割り当てることが可能になるのです。最近では多能工化の方法がサービス業などにも取り入れられています。

 たとえば旅館業には主にフロント業務、客室業務、厨房業務、レストラン業務の四つがありますが、それぞれの業務の集中する時間帯が異なります。星野リゾートでは従業員に四つの業務すべてをこなせるようにすること、つまり多能工化することで生産性を大幅に引き上げることに成功しました。働く人の拘束時間も大幅に減り、顧客サービスもより充実するようになったそうです。流通業のヤオコーやクイーンズ伊勢丹なども多能工化により一人がレジ、総菜づくり、品出しの複数業務を行うようにしたところやはり生産性が劇的に改善したとのことです。

 多能工化を実現するカギが「標準化」です。仕事を誰にでもできるような手順に改め、それを共有することで誰が担当しても同じ仕事の品質になるようにするのです。標準化に取り組むと最初はかえって効率が落ちますが、長い目で見ると組織全体の成果が大きくなるのです。標準化はムダをなくすこととも深く関係しています。ムダをなくすこと、平準化や標準化は言われてみれば当たり前の話ですが、なかなか意識的には行われていないものです。「言うは易く行うは難し」というテーマです。

 

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.04.15更新

 産業のソフト化が進む中で製造業のノウハウにあまり関心が集まらなくなったように思います。しかし、トヨタ生産方式は製造現場のみならず、サービス業やホワイトカラーの仕事にも適用されるようになっています。そこで、改めてトヨタ生産方式の強みについて整理したいと思います。

 トヨタ生産方式を一言でまとめると「ムリ・ムラ・ムダ」の排除です。そして、最も基本となるのがムダをなくすことです。トヨタではムダには次の 7 種類があるとされています。

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 これらは製造業のみならず、あらゆる業種の現場でのムダを考えるうえで大切です。7つもあると覚えるのは大変ですが、それぞれの頭文字を並べると「か(加工)・ざ(在庫)・つ(作りすぎ)・て(手待ち)・ど(動作)・う(運搬)・ふ(不良)」、つまり『飾って豆腐』となりますから、ぐっと覚えやすいでしょう。

 では、7つあるムダのうちで最大のムダは何でしょうか?この質問をすると、「不良」か「在庫」というお答えが多くあります。現場の方たちにとって最も目につきやすいムダがこの二つなのだということかもしれません。しかし、根本的な問題となるのは「作りすぎ」のムダなのです。

 「作りすぎ」とはせっかく作ったものが売れていない状態です。売れていなければ成果はありません。しかも、作り終えるまでに多くの資源・努力がつぎ込まれています。これらのすべてが価値を生んでいない状態こそが「作りすぎ」なのです。ですから、トヨタは「売れた分だけ作る」という考え方を徹底しているのです。

 また、「作りすぎ」では加工、在庫、運搬のムダが生じます。売れない分を加工、在庫、運搬したことになるからです。しかも、見かけ上は忙しいため、本来、手待ちである状態も隠されてしまいます。いらないもの、成果にならない仕事をすることほどムダなことはありません。

 この考え方は、新製品開発にも当てはまります。「こんな製品を出せばきっと売れるはずだ」と考え、大量に生産し大々的に売り出したものが全く売れないことはよくありますが、これも「作りすぎ」のムダの一種と考えられます。ドラッカーは、それを「間違った仕事を見事にやり遂げる」と表現しています。

 7 つのムダ、特に作りすぎのムダの視点は、仕事の成果が何かを問う姿勢です。仕事は常に最終的な成果に結びつけて行うべきなのです。

 

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2024.04.15更新

 ビジネスとは、単純に言えば資金を投入して利益を得る活動です。ですからコストとリターンという言い方がよく使われます。「これだけの資金を投入した結果、期末の利益はこれだけになった」といった表現はコストとリターンの考え方を反映しています。

 コスト管理の基本となる考え方がコストとリターンです。「これこれの金額(コスト)を使った結果、これだけの見返り(リターン)があった」とか、「業績(リターン)が思わしくないのでコスト削減に取り組もう」といった表現は、仕事の場面で頻繁に使われています。

 また、経営環境の不確実性が高まったため、コストの代わりにリスクという言葉もよくつかわれています。資金の投入にはリスク(危険)が伴います。もし、リスクが高いのであれば、望まれる利益(リターン)はそれなりに大きな金額でなければなりません。逆にリスクが低ければ見返り(リターン)が低くてもその確実性が魅力になります。

 このようにビジネスの世界では、「コストとリターン」、「リスクとリターン」といった考え方が浸透しているのです。

 しかし、世の中の変化がさらに加速したことで、社会が企業に期待する役割はどんどん大きくなっています。CSR、SDGs、ESG投資といったような言葉が日常的に聞かれることになったことは、その表れです。そこで、最近、重要になったのが「インパクト」という視点です。

 米国の新自由主義的なビジネス社会では社会的責任を果たすために資金や労力を使うことは株主利益に反する行為だとずっと考えられていました。「社会に還元するよりも株主に還元せよ」というわけです。

 ところが、企業活動によって公害が発生したり、自然破壊が進んだり、人権侵害が生じたりといった事案が増えるにしたがって、「企業は社会的な責任を果たしていない」という批判が起きるようになりました。その結果、企業には社会に対して与えたインパクト(影響)を説明する責任があるとされ、悪影響を減らし好影響を大きくすることが求められるようになったのです。

 日本では2022年4月以降、東証プライム市場(旧・東証一部)上場企業には国際的なガイドラインに基づいて気候変動への取り組みを説明する義務が課されています。それが下請け企業にも波及してカーボンニュートラルへの取り組みが求められているのです。さらにそれが今後、生物多様性についても求められると思われます。企業は自社の活動が及ぼすインパクトについての説明が求められているのです。

 かといって営利企業がリターンを無視してボランティア活動にはげむことはできません。しかし、社会的責任を無視して企業活動を行うわけにはいきません。企業にはリターンとインパクトとの間でうまくバランスをとることが求められています。

 たとえばサントリーは製品作りに大量の天然水を使用しています。そのため、自社の水使用量に相当する水源地の森林保全活動を行っています。その結果、「サントリーは社会に好影響(インパクト)を与える会社」という印象を与えています。それとは反対に、社会に対する不誠実な行動が明らかとなって評判を落とす企業も続出しています。もはやインパクトを無視してはビジネスが成り立たない時代に入ったといえます。

 

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2023.11.20更新

 ビジネスマンにとって財務諸表を読む力は基本的なスキルと言われています。財務諸表の読み方にはいろいろな考え方がありますが、ここでは“史上最強の投資家”と呼ばれるウォーレン・バフェットの考え方をご紹介したいと思います。
 バフェットが投資するのは「永続的な競争優位」をもつ企業です。そして、バフェットは財務諸表の次のような特徴が永続的な競争優位の現れと考えているのです。

 ☆バフェット流の財務諸表のチェックポイント

   〈損益計算書の読み方〉

1. 粗利益率が高い :一般的に粗利益率 40%以上の企業には何らかの競争優位がある

2. 販売費・一般管理費が低い :販管費が高い企業は厳しい競争に苦しんでいる

3. 多額の研究開発費を必要としない :常に新製品を必要とするビジネスモデルは長期
 的には弱い

4. 純利益が右肩上がり :純利益の上昇トレンドは永続的競争優位の証

5. 一株当たり利益が高い水準で推移 :経営の効率性が持続できている

   〈貸借対照表の読み方〉

1. 「現金及び現金等価物」が十分にある :手持ちの現金は最大の武器

2. 売上高に対する売掛金の割合が低い :売掛金が少ない企業は得意先への交渉力が強
 い

3. 内部留保が長期的に増加 :自己資本は永続的競争優位の証

4. 株主資本利益率が高い :経営者の手腕が優れている証

5. 負債の多い(レバレッジをかける)企業を避ける :短期で好業績でも長期的なリス
 クがある

    〈キャッシュフロー計算書の読み方〉

1. 資本的支出が少ない :巨額の投資(資本的支出)を伴う事業には長期的なリスクが
 ある

2. 自社株を継続して購入 :上場企業にとっては株主にメリットがある。

 

 バフェットは「あらゆる富を生み出す永続的競争優位性のうち、重要なのは“永続性”の部分である」 といいます。

例えば、コカ・コーラ社はずっと同じ製品を売り続けています。製品の一貫性が収益の一貫性を生んでいるのです。製品を定期的に変更する必要がなく、研究開発や設備に巨額の資金を必要としません。バフェットは永続性の裏にはこうした「一貫性」があると考えていました。

 

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2023.10.06更新

 新型コロナの流行が一段落したため、今後、税務調査が増える見込みです。しかも、以前に比べ、より調査内容が深まってきているようです。そこで、税務調査について改めて整理したいと思います。

 簡単に言うと税務調査とは税務申告における不正、誤謬、もしくは見解の相違について確認する行為です。人はミスをするものですし、考え方の違いが起きるのも普通のことです。ですから、誤謬や見解の相違はそんなに心配する必要はありません。誤謬は直せばよいわけですし、見解の相違は当局としっかりと議論をして合意すればよいのです。

 しかし、不正は別です。税務上の不正は「脱税」と呼ばれる非違行為です。その金額が大きくなれば刑事罰が科され、ニュースとなって社会的信頼が失墜する可能性もあります。「これぐらい構わないだろう」「このやり方なら脱税じゃない」と安易に考え、それが税務調査で大きな問題になることが多いようです。“賢い節税”のつもりが「脱税」とみなされないよう注意しなければなりません。


1 税務は実質課税。実態と離れた形式は「不正」とみなされやすい

 税務上の論点は白黒が比較的はっきりしている場合よりも、その中間の「グレー」な領域がたくさんあります。修繕費などはその典型で、実際に「これは経費になりますか?」と聞かれる修繕の多くは「黒に近いグレー」なケースであるため、資本的支出と判断されやすい状況にあります。

 また、法律上の形式が整っているからといって安心できません。たとえば親族を役員に任命して多額の報酬を支払っているのに、親族に勤務実態がないため故意による所得の過少申告とみなされるケースは多数あります。「本当は税金を少なくすることが目的」の行為の多くが“グレー”といえます。

2 税務署は事前に下調べをしている。

 コロナの影響もあったため、ここ数年は税務調査が比較的少なめでした。そのため、今後、税務調査が増えるといわれています。また、事前調査が以前よりも徹底されているともいわれています。

 実際、ある税務調査の際に、事前にブログや SNS などを詳しく調べ、会計処理との矛盾点がないかを細かくチェックしているようです。


3 小細工をするのは逆効果

 税金を安くしようと小細工をした場合、それが発覚するとダメージが大きくなりがちです。ある事業者は、通常使う銀行口座とは別に遠方の銀行に秘密の口座を設けていましたが、調査で簡単に発覚し、「脱税」と認定されました。


 また、別の事業者は調査の冒頭で「午後に貸金庫を調査します」と言われたため、午前中に人を銀行にやって金庫の中身を引き上げたのですが、貸金庫の入退室の履歴からその行動がバレて、悪意を認定されたこともありました。


 さらに、SNS などの事績を消した場合には、税務署が業者に内容の復元を依頼すると 1 週間程度で削除した内容がわかってしまいます。小手先の細工はかえってダメージが大きくなると考えてください。

 

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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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