2023.06.20更新

            

  ドラッカーは成果を上げるコツを一つだけ挙げるとすれば「それは集中である」と述べています。集中とは一つのことに意識を向けて取り組むことです。集中することで行動、取り組みのレベルが上がり成果が大きくなります。

  集中のポイントは目的を一つに絞ることです。やるべきことを明確にし、そこに意識を向けることで集中力が高まります。大切なことは目的を意識的に選ぶということです。意識的に目的を設定することはモチベーションをあげる必要条件でもあります。

  マルチタスク(複数の仕事を同時に並行して処理すること)は集中とは真逆の状態です。人間の意識は二つに分けることはできません。多くの仕事を同時にうまくこなしているように見える人も、実際には一つの仕事を手早く片付け、次の仕事に素早く取り掛かっているだけなのです。

   意識的に目的を選んで取り組むと「よい集中」状態に入りやすくなります。これに対し、状況の圧力によって起きる集中は「悪い集中」です。たとえば、トラブルが起きた時などで発揮される集中力は典型的な「悪い集中」の状態です。

  集中すると視野が狭くなります。焦点を絞った領域に意識を向けるわけですから、それ以外のことについては注意が散漫になるのです。すると、思わぬところから更なるトラブルが生じるのです。「よい集中」のためには、思わぬ事故が起きないよう十分に準備する必要があります。

  「よい集中」のためには、日常的に仕事の目的を意識し十分に段取りを組むことが大切です。よく「仕事に追われる」といいますが、それは状況の流れに身を任せて起きた「悪い集中」の状態です。「今日はなんだか忙しかったけれど、何をしていたのかよく思い出せない」といった状態は「悪い集中」の状態なのです。こうした状態では大きな成果はなかなか得られません。

 

☆「集中」に関する P.F.ドラッカーの名言

  1.  成果をあげる秘訣は集中。

  2.  成果をあげる人は最も重要なことから始め、一度に一つのことしかしない。

  3.  忙しさに身を任せるのではなく、成果をあげることに力を入れる。

  4.  ひとつに集中するほど実際にやれる仕事は多くなる。

  5.  集中すると時間が少なくて済む。成果をあげない人ほど長時間働く。

  6.  古いものを計画的に廃棄するが新しいことを進める唯一の方法。

  7.  優先順位の決定はやさしい。難しいのは劣後順位の決定。

  8.  状況に流されて優先順位を決めてはいけない。


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投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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